18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


「くっ……あはははは」

 遥さんは急に吹き出した。


「遥さん?」

「ああ、ごめん。ちょっとしたイタズラのつもりだったんだけど、刺激が強すぎたかな」

「へっ……?」

 彼の笑う表情を見ると、急に力が抜けてきた。


「ひどい。もしかして、からかったの? もう! 私を驚かせて楽しんで」

 思わず彼の肩を叩いて抗議した。

 すると、しゃがみ込んでいた遥さんは体制を崩して、うしろに倒れた。


「わっ、遥さん!」

 彼は私の腕をつかんでそのまま床に転がって、私が押し倒すような格好になった。


「ご、ごめんなさい」

「いろは」

 彼は私の腕をつかんだまま、じっとこちらを見上げている。


「俺のことが怖い?」

 どきりとして、すぐに言葉が出てこなかった。

 だけど、これだけは言える。


「遥さんのことは怖くない、けど……わからないことが、怖い」

 すると、彼は穏やかに笑って私の腕を引っ張った。


「わっ……」

 私は抱き寄せられて、彼とぴったりくっついた。

 遥さんは私を抱きしめたまま、冷静に話す。


「俺は君の嫌なことはしないし、怖がるようなことはしないよ。だから、安心していい」

「……ほんと?」

 顔を横に向けるとすぐとなりに彼の顔があって、あまりにも近くてドキドキした。

 遥さんは私の頭を撫でながら静かに語りかけるように言う。


「今夜は約束の週末だけど、いろはが嫌なら別々でも構わない」

 それに対して、胸の奥がぎゅっとなって、思わず素直な気持ちをはっきりと伝えた。


「ううん。わたし、遥さんと一緒に寝たい」