18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 どうしよう。ぜんっぜん、わからない。

 先生の教え方、難しいよ。ていうか、頭に入ってこない。


 遥さんはすごくわかりやすく教えてくれたのに、どうして?


「はあ……」

 授業が終わるとついため息をついてしまった。

 そのタイミングでスマホにメッセージが入った。


『数学の調子はどう?』

 遥さんからだ。

 まるで見ていたかのようなタイミングだよ。


『困ったらいつでも俺に頼っていいんだよ』

 続けて送られてきたメッセージにイラっとした。


『絶好調です。ご心配なく』

 と返信した。


 遥さんに頼らないで、自分の力で何とかするんだ。


 それからしばらくは数学の補講を受けて、家では夕方から母と買い物に行き、食事の支度を手伝った。

 勉強もできて料理もできる女になりたい。その一心で、夜も復習をした。

 次のテストは全教科でいい成績を残さなければならない。

 だけど、集中力が切れるとノートの端っこに落書きをしてしまう。


「ううう、つらい……勉強つらい……絵を描きたい。ショーマのイラストいっぱい描きたい」


 最大の欲求を我慢させられている状態なのだ。

 つらすぎるよ……。

 
 ――こっちはもう我慢の限界だったんだよ――


 ふと遥さんの言葉を思い出して複雑な気持ちになる。

 もしかして私、彼に相当酷いことをしているのではないだろうか?