私は恥ずかしさのあまり、顔が茹で上がるほど熱くなった。


　何を勝手に勘違いしているんだろう。変な子だと思われたかな？


　不安げに彼を見ると、鋭い視線がまっすぐこちらへ向いていた。

　どくんと鼓動が高鳴る。


　遥さんの瞳(め)は強烈だ。

　見つめられると体が動かなくなってしまう。

　まるで、縛られているみたいに。


「まあ、でも……」

　彼はぼそりと言って、おもむろに立ち上がった。

　そして、ゆっくりとこちらに近づいてくる。


　彼は私の背後から覗き込むようにして顔を近づける。

　私は固まったまま動けないでいる。


　彼は私の耳もとで低い声を出した。


「期待していたなら、それに応えてもいいんだけど？」


　ぞくりと体が震えた。