お風呂場もガラス張りになっていて、カーテンで隠せるようになっている。
遥さんがお風呂にお湯をためてくれて、ありがたいことに先に入らせてもらった。
お風呂から上がると用意された服に着替える。
真っ白の、大きなシャツ。
「か、彼シャツ……!」
憧れのことが多すぎて今日一日興奮しっぱなしだ。
シャツから見える生足が、自分で見ても色っぽく感じる。
こんな格好で遥さんの前に出たらとんでもないことになっちゃうなあ。
などと空想しながらもうひとつ用意されたぶかぶかのジャージズボンを履いて裾の部分を何度も折った。
リビングに戻ると遥さんが紅茶を淹れてくれていた。
焼き菓子にチョコレートまである。
それも、私の好きな洋菓子店“YAKUSA”のお菓子だ。
「お茶を淹れたからゆっくりしてていいよ」
「何から何までありがとうございます」
遥さんはにっこり笑って、リビングを出ていった。
彼もお風呂に入るのだ。
私はすっかり雨が止んで晴れ間の覗く景色を眺めながら紅茶を飲んだ。
このあとどうするんだろう?
そんなことを考えていたら、ふとあらぬ想像をしてしまった。
何も考えず言われるがまま男の人の家に来ちゃったけど、これってもしかしてまずい状況なのでは?
お互いに体を綺麗にして、ふたりきりの部屋ってこれ、大人の情事をするってこと!?
思わずソファから立ち上がった。
どうしよう。
心の準備ができてないのに!!
