18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


「あのう、遥さんは誰かにいたずらをしたり、そういうことが好きだったりしますか?」

 やんわりとした表現で訊ねたつもりだ。

 本当は「遥さんは酷いことをする人間ですか?」と訊きたかったけど露骨すぎると思ったから。

 適当に「いいえ」と流されるかなと思ったら、意外にも加賀さんは不安げな表情で返した。


「何かされましたか?」

「えっ? いいえ、そんなことないです、けど……」

「ああ、そうですか。よかった」


 私は加賀さんのその反応に微妙に違和感を覚えた。

 本当にそんなことがなければ、すぐに否定するはず。

 加賀さんは何か、私に隠していることがあるのかな?


「あ、勘違いしないでくださいね! 坊ちゃんは子供の頃からちょっとやんちゃなお方だったので、少しだけね、気になってしまって……」


 加賀さんは、私の顔色を見て言いわけをしたような気がした。


「あの、やんちゃってどんなふうにですか?」


 加賀さんは笑顔だけど、一瞬だけ顔つきが凍りついたのを私は悟った。

 ちなみに、私の脳内にはただいま小さな探偵の彼が降臨している。