18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 ガチガチに硬直した私の代わりに遥さんが傘を拾ってくれた。

 そして彼は私の手を引いて「車に戻ろう」と言った。


 吐息の次は手つなぎ……。

 次から次へと繰り出される“圧倒的恋人感”に頭も心もついていけず、そろそろ私の心臓が壊れそうになっている。


 やっぱり、男の人の手は大きくて力強いなあ。

 あんなに簡単に私を抱き上げることができるのだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど。


 などと考えているあいだに、ぽたぽたと大きな雨粒が顔に落ちてきた。

 降ってきた、と思ったら瞬く間に土砂降りとなった。


「わっ!」

「少し急ごうか」


 彼は私の手を引いたまま小走りになる。

 周囲の人たちも急いで屋根のある建物の中へと避難していく。

 駐車場にたどり着いたときには、私たちはびしょぬれになっていた。


「休憩でもしようか」

 と遥さんが言った。

「休憩……?」

 と私が首を傾げると、彼は穏やかな表情で続けた。


「お風呂に入って服も乾かさないと風邪を引くからね」


 なんだろう……スーパー銭湯にでも行くのかな?