18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


「何? はっきりして。もう隠したって無駄なんだから。どうせ、うちの両親にもすぐにバレて……」

 いきなり腕をつかまれて、じろりと睨みつけられた。


「は、放し……て」

 急に怖くなって声が震えた。


「いろは」

 顔を近づけられて名前を呼ばれると、ぞくりとした感覚が体中に走った。

 それは恐怖だけじゃなくて、何か別の感情もある。だけどそれは無理やり蓋をした。


「やだっ……この詐欺師! 触らないで!」

 必死に抵抗してみる、けど。

 つかまれた腕はびくともしない。


「いろは!」

 顔の近くで強く名前を呼ばれてびくっと震え上がった。

 恐る恐る彼の目を見ると、かなり怒っているような雰囲気だった。


「な、に……?」

 震えながら疑問を口にすると、彼は強い口調で言った。


「わからないなら、わからせてやる」

「えっ……」

 遥さんはいきなり私を抱き上げて、書斎に入った。

 恐怖のあまり彼の肩を何度も叩いて抵抗した。


「やだやだっ! 放して! 誰かーっ!」

「暴れるな」

「いやーっ! 襲われるーっ!」

「ああ、そうだ」

「ふえっ!?」


 遥さんは書斎にある簡易ベッドに私を下ろした。

 それから彼はネクタイを外してシャツの襟元のボタンを外した。

 どくんどくんどくん、と私の鼓動が警笛を鳴らすように響いていた。