どくんどくんと鼓動がうるさく鳴り響く。
ページをめくるたびに頭の中がどんどん混乱してきた。
「どうして……これ、私が中学生のときの?」
ハッとして急いで本棚の奥にある別のアルバムを取り出した。
その中の写真も全部、私だ。
学校から帰る途中のものや、私服姿のものもあるし、校内で友達としゃべっている姿もある。
到底、こんなもの遥さんが撮れるはずなどない。
「いや! 何これ、気持ち悪い!」
私はアルバムを落としてしまった。
乱れる呼吸をなんとか落ち着かせようと深く息を吐く。
どくんどくんどくんどくん、と頭が痛くなるほど鼓動が鳴る。
「どう、しよ……どう、したら……」
震えながら、これからどうすべきか考えようとした、けれど。
頭が混乱して、うまく働かない。
「だれ、か……そうだ……由希ちゃんに、連絡……」
スマホをテーブルに置きっぱなしにしていたのを思い出して、急いで取りに行った。
しかし、電話をしようとしたタイミングで、遥さんが帰宅したのである。
「ただいま、いろは」
「ひっ……お、かえり、なさい」
私はスマホをぎゅっと握りしめて固まった。
「何してるの?」
「えっと、あの……」
まずい。書斎の床にアルバムを放置したままだ!
