私は撮った写真はずっとスマホにあるし、パソコンに保存してもアルバムにすることもなく、ずっとそのまま放置してしまうのに。
奥の並んだファイルの年月日を見ると、どうやら結構昔からのものが揃っているようだ。
「遥さんの、写真……!」
思わず胸が高鳴った。
遥さんは今までずっと写真を撮られることを拒んでいたから、一度も彼の写真を見たことがない。
だけど、こんなにあるなんて、まるで宝物を見つけたみたいだ。
どうしよう。勝手に見たら怒られるかな?
でも、きちんと元に戻しておけば大丈夫かな。
私は遥さんの小さい頃の写真が見たいという欲求に耐えられず、アルバムの表紙をめくった。
彼がほとんど家族と旅行にも行かず、家族団らんの時間さえなかったという加賀さんの情報など、私の頭の中からすっかり抜けてしまっていた。
遥さんの、昔の思い出――。
「えっ……?」
写真を見た私は一瞬、目を疑った。
パラパラとページをめくると、どれも遥さんではなかったのである。
「なに、これ……わたし?」
