私は分厚い本が気になって、ひとつ取り出してみた。

 パラパラとめくってみたけど、全部英語で書かれている。


「こんなの読んでるの?」

 私なんて英語の参考書を読むだけでも大変なのになあと思う。

 見ても意味がなかった。こんな難しそうな本が読めるわけがないよ。


「私って、遥さんに釣り合ってないんじゃないかな」

 そんな不安がよぎって本を閉じた。

 だって、勉強もできないし仕事をしたこともないし、家事も得意じゃないし、いいところなんてないのに……。


 本を元の場所に戻そうとしたら、ふと目についた。

「あれ……奥に、何かある?」


 本棚の奥にはどれも同じような形の分厚いファイルが色違いでずらりと並んでいた。

 本ではないことは確かだ。背表紙には年月日が書かれている。

 取り出してみると中から一枚の写真がぱらりと落ちた。


「これ、アルバムだ」

 しかも、全部プリントしてある。