俺は目を瞬かせた。
相手の言っている意味が分からなかった。
「……俺の……力…?」
なんだそれは。
まったくピンと来なかった。
すると相手は俺の首に巻き付けている鎖をくんっと引いた。
「……うくっ!!」
鎖が首に食い込み、気管が閉まりかける。
「分かりませんか。
ならば無理矢理にでも目覚めさせてあげましょうか」
耳に触れる唇。
「……うぅ」
何とか両手で鎖を捕まえるが、鎖はどんどん肌に食い込んでいく。
「帰ってきなさい。私のもとへ。
そして思い出しなさい。あなたが私のものであることを」
「………」
目の前に細かな点がちらつき、周りの景色が遠ざかっていく。
「――さぁ、こっちに来なさい」
誰かの手が見える。
あれは誰の手だろう。
知らない筈なのに、知っている気がする。
吸い寄せられるようにその手を取ろうと手を伸ばした。
『……駄目よ。
そっちへ行っちゃ駄目』
誰かが阻むように俺の手を掴んだ。
『ここから逃げるのよ。私と一緒に』
そう言って、俺の手を引いてどこへと連れて行こうとする。
俺は目を細めて、手を引くその誰かを見上げた。
銀色の長い髪が靡いて光る。
……あなたは、誰?

