「策って何を…?!」
「…白石さんから貰った通信機があるだろ?」
俺は耳に装着している小型のそれを指差す。
「これを使って、船の針路を変えるように連絡してくれ。
なるべく周囲の船の無い場所、岸から離れた場所へ向かうように、と」
「………何をするつもりだ?」
問い掛けてくるアカツキから視線を外し、俺はベンチの前で屈みこんだ。
ベンチの下を覗き、そこにある筐体へと手を伸ばす。
「こいつを海へ投げ込む」
「……なるほど……ってシュン、後ろっ!!」
怒号に似たアカツキの叫びが響き渡った。
「……え?」
反応した時にはもう遅かった。
ジャラララ…と金属の擦れ合う耳障りな音。
一瞬、蛇のような動きで鈍い光を放つ鎖が目の前で舞い踊るのが見えた。
避ける間もなくその鎖は首に巻き付き、後方から人のものとは思えぬ力で締めあげられた。

