Fortunate Link―ツキの守り手―






ここは船の屋外にあるテニスコート。

コート内はすっかり暗闇に沈んで何も見えないので、懐中電灯の光だけが頼りだった。


「あのぅ。
もう遅いですし、私どもの方でお探しして、見つかりましたらまたご連絡差し上げましょうか?」


懐中電灯を持って俺達の後をついて廻る船員の方が困り顔でそう提案してきた。

しかしその親切な申し出に対し、アカツキは鬼の形相で、

「こちとら、んな悠長なこと言ってるヒマねぇんだよ!」

「……ひぃ、すみませんっ」

船員さんは見てる方が申し訳なくなるほどぺこぺこと謝った。


「おい、アカツキ。
無理言ってるのはこっちの方なんだから、そんな言い方は無いだろ」

「ちっ」

アカツキは舌打ちした。

その焦る気持ちも分かるが…。

「忘れものがあってどうしても今すぐ要るものなので捜してもいいですか?」と既に閉まっていたテニスコートをわざわざ開けて貰っているのに。

お願いしている身としてそういう態度は良くないだろう。


「だが、指定場所はどこだ。
書いてあった時間まであと10分もねぇぞ」


「分かってる」


俺は周囲を見回し、手に持つ電灯の光で先を照らす。

大まかな場所はこの辺りだと分かっているのに、俺達を待っているような人影も無い。

だとすればあの文章を書いた相手は……何か目印になるようなものを置いてはいまいか…。