(……あーもーっ!!!)
がしがしと頭をかく。
なんで幸せのあとには、倍以上の不幸がやってくるんだよ。
割に合わなさすぎやしないか。
恨みがましく見上げた先には、青い空がある。
そういえばこういう時に限って、空って晴れてるよな。
誰かによる陰謀?
(……卑屈になりすぎか)
爽やかな夏空を見上げながら、一人虚しく反省する。
思えば今までだって不運の連続だったじゃないか。
今更このぐらいで何だってんだ。
俺はツキなんか持ってない。
悲しいぐらいに平々凡々とした高校生にすぎない。
いや。運はおそらくツイてないほう…。
そうであるからには、わずかな幸せを求めて地道にこの不運を乗り越えていくしかない。
出来ればラクな道を通りたいと思うけど現実はそうはさせてくれない。
ラクな道を通ろうとすれば、それ以上に遠回りになってしまう。
むしろ遠ざかってしまうことさえある。
「――アカツキ」
扉の向こうに呼び掛ける。
「悪かった。ちゃんと話がしたいんだ。開けてくれ」
懇願の口調で頼み込む。
けれど何の返事も返ってこない。
「おーい。聞こえてんだろー。家の前で野宿しちまうぞー」
変な脅し文句をつける。
やけくそだ。
けれど諦めない。
ささやかであれ、それは掴むべき幸せなのだ。
幸運で掴むものなんかじゃない。
この不運を乗り越えてこそ掴むものだ。

