乱暴に押し付け、それだけであっという間に離す。
唖然とする俺の間近で鋭いその目がこちらを見ていた。
「これで、さっきのはチャラだ」
睨んでアカツキは言った。
「また私の見てる前であんなことされてみろ。そん時ゃ私の持ってる7つの絞め技から好きなのを選ばせてやる」
尋常じゃない怒りを発しながら告げる。
俺は冷汗を垂らしながら、こくこくと首肯した。
7つもあんのかよ、という突っ込みはとりあえず呑み込んでいく。
アカツキは放るように、掴んでた襟をいきなり放してきた。
俺は再びよろめいた。
アカツキはこちらには目もくれず、荒々しい足音を立てて家の方へと戻って行く。
(うわわー。マジで怒らせちまった)
内心ビクつきながら、それでもアカツキの後を追った。
前を行くアカツキは相当に怒っているようで大股でどしどしと歩いていく。
「わ、悪かったって。ごめん」
追いかけながら大声で謝る。
せっかく互いの気持ちを確かめ合えたばかりで、いきなり関係崩壊だなんて嫌だ。嫌すぎる。
アカツキはあっという間に家の前まで来て、その中へと入っていった。
俺も小走りで追って、中へと入り…
しかし扉の前でアカツキが立ち止まっていた。
「――――どした?」
後ろから、その背中に問いかける。
そして、追いついた俺も”それ”に気づいた。
「……何だ、それ」
驚いて呟く。
扉の脇に、段ボールの箱が幾つも積んで置かれていた。

