その表情は決然とした面持ちだった
深く息を吸う音がした。
アカツキは俺を真っ直ぐに見つめて告げた。
「――好きだ、私も」
きっぱりと言い放つ。
「お前のことが好きだ。シュン」
清々しいほどに。
今度は俺が呆ける番だった。
とてもはっきりと言ってくれてるのに、すぐにはその言葉が頭に入ってこなかった。
ただその表情に見とれていた。
(……ああ。やっぱりこいつは……)
その眼差しに目が吸い寄せられる。
強くて格好良くて凛々しくて。
真っ直ぐで優しくて素直じゃなくて。
愛想がなくて怒りっぽくて意地っ張りで…。
自然と顔に笑みがこぼれてしまう。
(――――――大好きだ)
通じ合えた嬉しさをいっぱいに感じながら、そう想った。
俺達は見つめあったまま、しばし道の真ん中で佇んでいた。
幸せすぎて気分がふわふわしていた。
軽く飛んでいきそうでもある。
今まで生きてきたなかで絶頂だといっても過言じゃない。
これほど嬉しい経験は初めてだ。
いいのかこれ。こんなに上手くいってしまっていいのか。
幸せすぎて怖いぐらいである。
そこへ強い視線を感じて、はたと我に返った。
いかん。幸せに浸りすぎて周りを見失ってた。
慌ててアカツキのほうへと意識を取り戻す。
(………あれ)
アカツキはいつの間にか目をそらしていた。
ほんのり上気した顔を隠すように。
(……じゃあ……今の視線は……?)
嫌な予感を感じて辺りに首を巡らせた。
そういえば、なんか以前に感じたことのある視線だ。
具体的にいえば最初のほう。この話の始まったばかりのころ。
そしてすぐにその根源である姿を見つけた。
「――白石さん…?」
ちょっと離れた位置から、唖然とした様子でこちらを見て立ち尽くしている。
持っていただろう紙袋を、ぼとり、と地面に取り落としていた。

