すると小さな声がした。
「…………るい」
アカツキは下を向いて何事かを呟いた。
「……え?」
「……お前はずるい…」
長い金髪の間からまだ赤さが残る頬が覗いていた。
「……勝手に…急に…お前だけが変わって…」
たどたどしく言葉を繋げる。
怒ってるようで、それ以上に戸惑っている感じだった。
「……こっちは何の心構えも出来てないってのに…」
するりと耳に掛かっていた髪が滑り落ちる。
「………アカツキ」
血が昇っていた頭が冷えてくる。
走ってきた高揚は徐々におさまってきていた。
指で頬をぽりぽりと掻く。
「えーっと。……返事をせかしちまって悪かったな」
申し訳なく思って謝った。
思えばアカツキのことを考えずに自分の気持ちだけで突っ走ってしまった。
「――いつまででも待つから」
掴んでいた手を離して、代わりにぽんぽんとその肩を軽く叩いた。
「いつか心が決まったら聞かせて欲しい…」
言って、そっと離れる。
するとアカツキが突然、ずざっと音がするほどの勢いで振り返った。
俺は驚いて見た。
真剣な眼差しがこちらを見ていた。
「――心なら、ずっと前から決まってる」
その目からは、さっきまで浮かんでいた戸惑いや困惑は一切無くなっていた。
「待たなくていい。今言う」

