「――たしか、私にはすごい力があるだとか言ってたな…」
確かめるようにゆっくりとそう言う。
「……う、うん」
少しおずおずとしながら頷いた。
言った言葉まではしっかりと覚えていなかったが、確かにそんなことを言った気がする。
まさかアカツキが真に聞いているとまでは思わなかったが。
アカツキは外していた視線をこちらに向けてきた。
「お前は――そのことを私が知らないだろう、って言ったな」
「…うん」
アカツキは一言一句覚えているように言う。
逆に俺のほうがその言葉をたどって自分の言った内容を思い出していた。
「…でも、私は同じことを聞いたことがあるんだ」
「………え」
思いがけない言葉が返ってきて少なからず驚いた。
聞いたことがある、だって?
アカツキは足を組み変えて、少し間を置いた。
遠くへと視線を流す。
「もう随分と昔のことだ。――母さんが同じことを言ってた」
今までの口調とは打って変わる。
何かを思い起こすように感慨深げな声だった。
「私の中にはすごい力が流れている、って。
いつかそれを自覚する時が来たら、その力を大事にしなさい、って」
遠く遠くを見ながら続ける。
その目はどこを見ているのか分からない。

