するとアカツキも「ああ」と思い当った感じで頷いた。
「…私もそんな気がしてたんだが、気づいて見るとそんなのはどこにも見当たらなかったんだ。気のせいだったかな」
しきりに首を傾げながら言う。
俺も自分の体を見回して確かめたが、どこにもそんな痕は無かった。
まったくもって体は正常に動く感じだ。
(………おかしい)
アカツキ以上に何度も首を傾げた。
どう考えても気のせいなんかじゃないハズ。
あれも無かったことになったのか…。
そう思いかけて、「いや」と首を振る。
確か変えられたのって、”あの地点”での現実だけじゃなかったのか。
他の全ては何も変わらず、認識が変わっただけだって、あの男が……
それとも何もかも全部が全く元通りに戻ったということだろうか。
あの”歪み”だという場所が崩れて無くなったことによって――。
深く考え込んでると、頭の中が煮えてきて凝り固まってきた。
(……わっからんっ)
目が回り始めて、考えることを投げ出した。
考えてもひたすらに頭が痛くなるだけだ。
そもそも事態が非現実なのだ。
軽く常識を超越しすぎているし。
普通の考えなんてのは通用しない。よって真面目に考えても無駄無駄。
「……そういえば。俺ってどれぐらい寝てたんだ?」
原因の追及を放棄した俺は、違う質問をアカツキに投げかけた。
「だから言ったろ。2日だ」
面倒くさげに答える。
――2日間。
すなわち48時間。
長すぎる。そんなに長時間寝た経験は今までにない。
怪我もないのに、疲れてたんだろうか。
そして、起きた時にすぐ傍にアカツキが居た事を思い出した。
ちらっとその当人の方に目をやる。
「その間ずっと見ててくれたのか」
あのおぼろげな記憶を思い出して、ふと気になって訊ねてみた。

