Fortunate Link―ツキの守り手―



「知りたいか。なら教えてやる」

アカツキは俺のほうを眺めやりながら、

「お前は――夏風邪をこじらせて、授業をサボった挙句に学校の屋上で一人ぶっ倒れてた」

淡々とした口調で答えてのけた。


俺は呆然とその言葉を聞いた。

我が耳を疑った。

「……えっっ」

驚嘆。

というよりショックから飛び出た声。


信じられない。というか信じたくないアレな感じで。

起き上がった姿勢のまま、死後硬直よりガチリと固まった。


すなわち――夢オチなんていう、最悪な結末じゃなかろうな。

最強に悪い予感が掠めた。

というか風邪とか普段引かないし、マジありえないし、そんな…


アカツキは表情を変えないまま俺の様子を見ていた。

そして言葉を付け加えた。


「――ま。そういうことに表面上には為ってる」


あっさり否定してくれた。


「……え?……あ……えっと…」

俺はすぐにはショック状態から抜け出せなくて、言葉を発そうにもうまく出ない。  

「………って、ことは?」

上目遣いに、アカツキを窺い見る。


「ここは私の家で、お前が寝ているのは私のベッドだ」

俺の方を指差し、あっさりのたまう。

「えっ」

ゆっくりと自分の握っている布団と手に視線を往復させ、

「……ええっ?!」

俺は跳ね上がるように、ベッドの上を飛び上がった。

なんか、いつもと違う匂いがするなぁ…とか呑気に思ってたら。

「……ぐふっ」

そこへいきなりラリアットをかまされ、再びベッドへと沈まされた。

「いいからおとなしく私の話を聞け」

強制的な口調で言う。

なんで言葉より先に手が出るかな…。


アカツキは再び同じ場所に腰を落ち着け、語り始めた。