「そういえば、ここは…」
うまく動かない体をゆっくりと起こしながら訊く。
何というか、力が入らない。
「屋上だろ。学校の」
アカツキが素っ気なく答える。
「……そっか」
頷き、自分の目で周囲を確認した。
確かに見慣れた屋上の風景があった。
「戻ってきたんだな。ちゃんと」
感慨深くそう思った。
元通りの場所に戻ってこれた。
アカツキと一緒にここに居る。
それだけのことがこんなにも嬉しい……。
「行こうか」
立ち上がろうとした。
けれどそれだけの動作が出来なかった。
手足に力が入らない。
気づいてみれば、頭はやたら重いし、左腕なんてぶら下がっているだけだった。
全身ズタボロだったが、なぜか痛みは感じない。
でも、どうしようもなく体がだるかった。
動けないでいると、アカツキはおもむろに俺の胸倉を掴んで、乱暴に引き上げてきた。
こっちはそれに対して振り払うことも何も出来ない。
人形のようにされるがままになった。
「……許さない」
目線の高さを合わせてきて、睨んでくる。
その目は突き刺すように真っ直ぐにこちらに向けられていた。
「何でそんな無茶ばかりするんだ」
低い声で訊いてくる。
「何でお前は…そんなに…私のせいで…」
まるで責めるように言う。
これほどまで真剣に真っ直ぐに見詰められてはこちらも視線をそらせない。
アカツキは本気で許さない目をしていた。

