駆けながら、刀を掲げ上げる。
痛みを無視して右手に力を込める。
自分の体内を巡る奔流を握る刀へと注ぎ込む。
握りこんでいる柄が熱くなり始めた。
そこへ力が充填されていくのを感じる。
刀身がほの白く、淡い緑に輝き放ち始める。
目映くとても優しい色が先を照らし出した。
その先へと突き進む。
なだれ崩れていく場所へ突進していく。
崩れ落ちてくるその勢いは容赦なかったが、全くひるみはしなかった。
落下してくる岩をすり抜けながら、それでも走る。
薄明るく光の差す方へ。
目の前を覆い尽くしてくる土砂を刀を横薙ぎ、払いのける。
ごぉっと唸り、突風のような風が巻き起こって、視界がクリアになった。
その中を突破していく。
煙る向こうは明るかった。
外へと繋がる部分がはっきりと見えてくる。
削れられている岩壁のその亀裂の隙間から微かに確かに光が漏れ出ている。
半身になり、右腕をいっぱいに伸ばす。
矢のように前進する。
裂帛の気合をこの一撃に込める。
研ぎ澄まされた意識が一筋に奔る。
「だらぁぁぁぁぁああ!!!!」
あらん限りの声を迸らせ、充填した力を全力で放出させる。
前を阻む岩壁を突き破るべく。
刀の周りを烈風が巻き、先端へと向かって集まっていく。
足は前進を止めない。
たとえ前を遮るどんな大きなものがあろうが。
ドオオォォォォッッ
そして刀の先端で一つの鋭い旋風となった強烈な剣風が岩の表面を穿った。

