体の一番熱い部分で触れ合う。
溶け合うほどに熱い。
ずっとこうしていたいと思うほどに心地良かった。
永遠に続けばいいと思った。
だけどずっとこうしている訳にはいかない。
やるべきことが、ある。
理性が昂ぶっていた心を静めた。
名残惜しさを感じながら、ゆっくりと顔を離した。
冷静に返り、相手のその反応を見る。
アカツキは目を見開いたまま、固まっていた。
見事な硬直っぷりだった。
それから瞬く間に顔を真っ赤にさせた。
「……な、な、な…」
面白いほどに動揺を浮かべ、水面近くの金魚みたいに口をパクパクさせていた。
なのに言葉がうまく出てこないらしい。
「……な、何しやがんだっいきなりっ」
睨んでくるけど、いまいち威力に欠けていた。
俺はその貴重な表情を拝んで、笑った。
そしてこう答えた。
「不運を打開するおまじない」
「……………は?」
アカツキは頬を紅潮させたまま思いっきり眉をしかめた。
意味が分からんと言わんばかりに。
「俺は絶対に負けないということだよ」
笑って答える。
唖然としたアカツキの表情を目に焼き付けて。
そして背を向けた。
振り返らずに歩き出す。
木刀を抜き、刃を露わにさせた。
意識は既に前方へと向かっていた。
心を落ち着かせ、集中させる。
イメージを自分の中に強く描き出す。
呼吸を整え、目的の場所に向かって一直線に駆け出した。
背後からアカツキの呼ぶ声が聞こえたが、足はもう止まらなかった。

