見ると、四方八方をやはり岩で囲まれていた。
けれど最初と決定的に違うのは、それらが崩れて落ちてきているものである、ということだ。
ピチョンピチョンと水の滴り落ちる音が響いているが、辺りに水は溢れていなかった。
動き回ることは出来そうだ。
「どこかに脱出口があればいいんだけど」
とにかくそれを探し出さなければならない。
この場所に居続けることは危険という範疇を越えているような気がする。
「ここは一体……」
アカツキは難しそうな顔をして呟く。
「…さぁ。
よく分かんねーけど、こっから出なきゃな」
なるべくこちらの不安や焦りを悟られないように、出来るだけ軽く言ってみせる。
そして、アカツキに向けて手を差し出した。
「――行こう」
ごく自然に。
するとアカツキはその手を見つめて少し戸惑ったように動きを止めた。
「どした?」
「……なんか、お前…変」
そんなことを言う。
「…変?」
訊き返しても、
「いや。いい」
答えず首を横に振った。
そして、おずおずとその手を伸ばしてきて
ズズゥゥ――ンン……
地響きとともに地面が震えた。
その拍子に重なる筈だった手が離れる。
「……わっ」
「……何…」
巨大な影が落下してこようとしてるのが視界の上端に映った。
とっさにアカツキを抱え込んで、横っ飛び、倒れこむ。
ガラガラガラ…ドドドォォ――ン…
粉塵が舞い、この狭い空間を割らんばかりの音が轟く。
耳の奥を伝って頭蓋にわんわんと響いた。
体を縮ませ、その轟音の鳴りやむのを待つ。
やがて振動が少し収まったのを確認して、上体を起こして辺りを見回した。

