一方、俺はいまだ信じられない心地だった。
「……本当の本当に……えっと…大丈夫なのか…?……怪我とか無いか…?……どっかおかしいとことか…」
あまりに信じられなくて、要領をえずに訊ねてしまう
「…怪我もないし、おかしいところも何も無いけど」
アカツキはますます変な顔をして言ってくる。
「………だって」
さっきまで目を覚まさなかったはず…
しかし何か言いかけた俺を遮ってアカツキは言う。
「心配するなら私じゃなくて自分にしろ」
怒ったふうに。
「お前こそどうしたんだ、それ」
額のほうに手を伸ばしてくる。
鋭かった瞳が見る見るうちに曇っていく。
「――何でそんな怪我を…」
尻すぼみに小さく呟く。
全然、らしくない不安そうな顔をして言うんだ。
(……俺はまた……)
こんな顔をさせてしまっている……。
無性に自分が情けなくなって、喉の奥が少しツンとほろ苦くなって。
俺は思わず掴みそうになったアカツキの手をやんわりと振り払った。
「……見た目ほど、どってことねーよ」
安心させるように笑って言ってみせる。
もう、その優しさに甘えるわけにはいかないから。
目をそらす。
「――それより、この場所」
周囲に視線を巡らせる。
「どうやって出るべきか、考えた方が良さそうだな」
話題を変えるべくそう提案した。

