Fortunate Link―ツキの守り手―




天地を揺るがすような轟音が轟いた。



巨大な何かが崩落していくような音。

続いて、地震のような揺れが続いて、よろめいて倒れこむ。



(……な、何だ?!)

並々ならぬ異変を感じて動転する。


倒れこんだままの姿勢で必死で辺りを見回した。

そしてすぐ目の前で迫り来る脅威を目にした。


「…うわっ!!」

周囲の岩がミシミシッと凄まじい音を立てて、その亀裂を広げていた。

呆気に取られている間もなく、その割れた岩が崩れ落ちてくる。


アカツキを抱いたまま、転がって避ける。

そのすぐ脇をドドォォーンと、腹を震わせるほどの音を鳴り響かせて、岩が激突していった。

震動に体が痺れる。

衝撃的過ぎる光景に、思考が一瞬止まった。


破壊の猛威が全てを呑み込もうとしている。

そして俺は唖然とそれを見上げるばかりだった。

こんな崩壊を前にしては何もできない。

為すすべも…無いに等しい――。


しかし呆けている暇も無かった。

さらにゴゴゴゴッ…と地鳴りのような唸りが辺りを轟かせ始めた。

地面が小刻みに震え始める。


「………何が起こってるんだ?」

確かめるまでも無く、すぐさまその光景を目の当たりにすることとなった。


ゴォォォォッと低く唸るような音を響かせながら、周囲に水しぶきがあがる。

まるで横から湧き起こる噴水のようだった。

あちこちから消防の放水のような勢いで水が噴出し始めていた。


亀裂の間から。

さらには亀裂を押し広げながら。


その水の流れは足元に怒涛のような勢いで襲いかかり、地面を埋め尽くした。

溢れかえり、川のような様相を呈していく。

それでも、なおもなだれ込む水の勢いはおさまらない。

たちまちに水位を上げる。

膝ぐらいの高さに…さらに腰ほどまでの高さに達した。