横っ飛びながら、前方から肉薄してくる相手を見据える。
(……迎え撃つ)
接近するそいつの脇をすり抜けるべく、駆け出す。
下段から逆袈裟に刀身を振り上げる。
感覚を研ぎ澄ませながら、冷静に狙いを定める。
左胴だ。
相手の横を通り抜きざまに、刀の峰でそこを撃つ。
狙い澄ませて…。
しかし。
そこへぶつけるより一瞬先に、
……阻まれた。
奴は前進するのをやめて方向転換すると同時に、その回転を乗っけながら真一文字に十手を振るってきた。
(……速い)
凄まじい音を立てて、刀を弾き返される。
手に電流が走った。
たまらず後退する。
だが相手は容赦無い。
踏み込みながら、さらに鋭く十手を返してくる。
こちらもそれに応じるべく刀を繰り出す。
鼓膜を劈く音を立てて交わり合う。
凄まじい破壊力のこもった剣撃。
気を抜けば刀が折れてしまいそうなぐらい。
再び押されて、弾き返される。
体勢を崩されるのだけは何とかこらえる。
しかしそれを立て直す間もなく、流れるように再び十手を斬り返してくる。
息つく間もない連続攻撃。
それに応じて、必死で刀を振るう。
ギリギリで斬りむすぶ。
これ以上、相手のペースに持っていかれるわけにはいかない。
手に強い痺れを感じつつも、歯を食いしばってこらえる。
相手の力を相殺させる。
ギチギチ…と鍔ぜり合う。
刀と十手越しに睨み合う。
その真ん中で。
せり合う抜き身の武器が小刻みに揺れ動く。
俺も奴も押し合うが、均衡は少しも破れなかった。

