「明月ちゃんがお前に対して迷いなく何かを想う時だけ、際立ってツキが力を発揮する」
そう真面目に告げるその目がどこまでも本気で。
息苦しいほどに本気で。
俺は逃れられない真っ直ぐなその視線に戸惑いつつも、見返しながら呟く。
「……本気で言ってんのか?」
「当たり前やん。俺はここずっとお前らを観察対象として見てきたんやで」
そう大きく頷いて。
それから、「まぁお前らが喧嘩しとる時とか互いに不安に思てる時は全然ツキの効力は無かったな」と笑って付け加えてきた。
「……勿論、知ってる全てが俺が見てきた分だけやないけど、な。
ほとんど…スイから教えてもらったコトが大半やし」
「………スイ?」
「ああ。ほら。学祭の時に会ったやろ。スーツ姿の…」
そう言われてすぐに思い出した。
「……あの男が…」
「そう。あいつ。
面倒くさい奴やけど。自分の役割をきっちり果たすことに命を掛けているような奴でな。……今も出張ってる」
そう言ってから、再び俺のほうへと視線を戻した。
深呼吸した後に「さて」と呟いた。
「どうしようか、正直迷ってたけど。やっぱり教えることにするわ」
「……………何のことだよ?」
不審げに睨む俺を見て、
瀬川は少しの間を置いた後に、うっすらと意味深げな笑みを浮かべた。
「――アカツキちゃんの居場所」

