Fortunate Link―ツキの守り手―








目が覚めたら、朝だった。


普通に普段通りの朝だった。



そりゃ当たり前のことだろ、と言いたくなるところだが、なぜだか今の俺にとってはそれがとてつもなく奇跡的なことに思えて仕方無かった。


どうして朝なんだ?、と思った。

どうしてここは自分の家で、しかも自分の部屋に居るんだ?とさえ思った。



その理由は特にはっきりと思い当たらないが、とにかく何かが果てしなくおかしい、と感じた。とにかく変だ。軌道ごと全て間違っているような。

ベッドから起き上がり、思わず自分の体をペタペタと何かを確かめるように触りまくる。


「……………」


確かめるまでもなく、どこもどこかしこも、どうともなかった…。


軽く頭を振り、そして傾げる。

何やら自分の身にとてつもなく大変なことが起こった気がしたんだけど…。

思い過ごしか?



胸に大きな引っ掛かりを覚えつつも、取り合えず一階へ降りる。


誰も居ない。

そりゃそうだ。母さんは今、海外に居る。

あまりの長期の不在に、しだいに一人で居る事にも慣れてきている昨今。

いつも通りにリビングのテレビのスイッチを入れる。


画面にはいつも通りの朝の番組が映し出されている。

特に目新しい大きなニュースも無く、政界のいざこざや、芸能人の入籍や、今日の天気、とか割と平和なものばかり。

あまりに普通すぎる日常。

自然と先ほど感じた違和感も薄れていった。


「朝めし、何かあるかな」


冷蔵庫を覗くと、中は空っぽだった。

そういえば何も買い込んでなかった。忘れてたな。

学校へ行く途中に何かを買い込んでいくか、と考える。


もう一度テレビに視線を移すと、ちょうど今日の運勢ランキングをやっていた。

いて座は最下位。


「…今日は何をやっても丸っきり駄目でしょう」

何だか投げやりな内容だな、と思いながら呟く。

「不運を打開するおまじない、……好きな人と愛を確かめ合う?」

何だそりゃ、と思った。


好きな奴、だなんて…。