「雅…」
蝋人形のように白い肌の彼女の顔に触れた。
しかし、そこに生前の柔らかさはなく、ただ冷たく固かった。
「お前が出来へんかったこと、ちゃんとやり遂げたで」
けれど彼女が答えてくれることはない。
物言わぬ石像のように、そこに佇むだけだった。
「なぁ、雅」
俺はその小さな唇に触れた。
血塗れた手で触ったせいで、汚れてしまった。
「俺はお前に何もしてやれんかった…。
だから、こいつら全員殺してやった。
だから…」
急に目の奥が熱くなって止められなかった。
「せめて、お前を守れた、って。そう言わせてくれよ」
涙で視界がぼやける。
俺はこの時、生まれて初めて泣いた。
「雅!!」
我を忘れて、何度も何度も、目を覚まさぬ彼女の名を呼び続けた。
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