Fortunate Link―ツキの守り手―


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薄暗い廃工場の中。

そこに数人の男達が集まっていた。

彼らは何かについて話し合っている。

「どうしますか、この小娘の死体」

一人が、鉄パイプの山の影に寝かせてある遺体を指して、黒スーツ姿の男に問いかけた。

「コンクリート詰めなら、良い仕事する奴しってますよ」


――パンッパンッパンッ

銃声が響いた。

工場の扉に隠れていた俺はそこから飛び出し、奴等に向かって発砲したからだった。

隠れている間に、どこにどの向きに奴等が立っているか把握していた俺は、一発ずつ確実に命中させた。

悲鳴や怒声はしばらくして止んだ。

そこに立つのは黒スーツの男、ただ一人となった。
その男は、先日、雅と一緒に百貨店で追いかけていた、あの男だった。

「お前は誰だ?」

そいつは死屍累々と転がる仲間を一顧だにせず、俺に問いかけてきた。

「お前に名乗ってやる名前など、ない」

そう言って、そいつの足に向かって一発撃った。

さらに二発三発、と、わざと急所を外して撃つ。

その男は呻きながら、その場に崩れ落ちた。

「お前だけは…楽に殺してやらん」

さらに何発も執拗に撃ち込む。

俺はその返り血を浴びながら、何だか楽しくなっていた。

「ははは…。苦しめ!苦しめ!もっと苦しめぇ!」

我を忘れて撃っていると、いつの間にか弾を撃ち尽くしていた。
見ると、相手はすでに事切れていた。

俺は銃を下ろし、呆然と立ち尽くした。

「……呆気ないな…」

それからしばらくして、ふらふらと、雅の遺体のあるほうへと近づいた。