Fortunate Link―ツキの守り手―



「――蓮」

ぬっと、雅が俺の顔を覗きこんできた。

「何をぼーっとしているの?」

「すまん。ちょっと考え事を」

「しっかりしてちょうだい。今日は大事な日なんだから」

グレーのワンピースを着た雅が注意してきた。

気づけば、俺と雅が初めて出会ってから三年という月日が経っていた。
その間に雅は急激に美しく成長し、少しずつ大人の女性に近づいていた。

「その服、よう似合っているな」

「馬鹿。何言ってるのよ」

つん、と向こうを向く雅。

ここは今日開店したばかりの百貨店の中。
老舗百貨店が投資会社に買収され、生まれ変わってリニューアルオープンしたのだ。

しかし、その投資会社は、ここ最近急激に勢力を拡大している暴力団組織と繋がりがあるという。

そしてそれを裏付けるように、今日の百貨店のオープニングセレモニーに、その組織のトップが姿を現したのだ。

今、彼は百貨店のオーナーらしき人に店内を案内されながら、俺達の少し先を歩いていた。


「あの男は滅多に人前に姿を現すことはない。
今日は彼を消す貴重なチャンスよ」

賑やかな喧騒に紛れてそう囁いてくる雅に俺は小さく息を吐いた。

「周りは楽しそうやのに、ここだけ物騒やな」

「仕方ないでしょ」

「まぁしばらく相手さんも店の中ぐるぐる廻ってそうやし。
俺らも、買い物デートしに来たつもりで少しは楽しもうや」

「…買い物デート?」

「なんか欲しいものがあったら買ったるで」