「……えっ?!」
唐突な問いかけに俺は面食らった。
白石さんはそんな俺を見て笑った。
「話についてこれなくてもいいから、流す感じで聞いてね」
そう前置きしてから、
「この世界の森羅万象は流れによって出来ている。
そして、その流れを守る一族がいくつか存在するの」
白石さんはそこから、長い話を始めた。
「私は流れの中流付近を守護する一族の家
に生まれた。
その家――水波(ミツハ)家は特別な血を受け継ぐ家系で、その一族の中で生まれてくる双子は不思議な力をもって生まれてきた。
双子のうち、一人は"福宿し"、もう一人は"月読み"と呼ばれ、
"福宿し"はたぐいまれなる強運を持ち、"月読み"は福宿しの持つ運の流れを読みとる力を持っていると言われていた。
まるで二人で一対といった具合に。
そして私は、水波家の双子の妹として生まれた。
姉は福宿しの巫女、私は月読みの巫女だった」
そう一気に話し、白石さんは表情を歪めた。
何か辛いことを思い出しているようにも見えた。
「でも私の姉のもつ運気の流れは私が読み取れるほどの量ではなかった。
私達は巫女としての役目を全うできなかった。私はそのことに耐えきれず家を出、違う家の養女となった。
姉は家に残り、巫女としての務めを続けた。けれど彼女の占いに逆恨みを持ったものに殺された…」
「白石さん…」
「私は裕福な家に育てられ、普通の女子高生としての生活を送っていた。そんなときに月村さんの存在を知った。
実際に彼女を目にして、彼女の中に姉さんにはなかった大きな運気の流れを見た」

