「あの…?」
心配になって、白石さんの顔を覗きこむと、
彼女はフラフラとこちらに寄りかかってきた。
「白石さん?!」
とっさにその体を受け止める。
「……おい、大丈夫か?」
白石さんはこちらに上体を預けたまま動かない。
触れた体が相当熱いところから察するに、熱が上がってしまったのかもしれない。
「おーい」
軽く揺さぶり、声を掛けてみる。
兎にも角にも起きて貰わなくちゃ色々と困る。
そう思いきや、寄りかかる白石さんはそのままの体勢でギュッと服にしがみついてきた。
意識はあるらしい。
さらには猫のように頬を摺り寄せてくる。
「…優しいなぁ、シュンは」
胸越しに「にゃはははっ」と笑ってきた。
その掛かる吐息がとてもくすぐったい。
こちらの体温まで上がってしまいそうだ。
「ほら。早く保健室に行こう」
思ったより元気そうだ…。
バクバクいってる鼓動を抑えて促す。
変わらず白石さんは身体を預けてくるが、それでも無理やりに立たせた。
少ないながらも周囲の視線が痛い。
「こんなにくっ付いてたら、風邪、移しちゃうかもしれないよ?」
全く離れる気配の無い彼女は、いつものように悪戯っぽい口調で言ってくる。
高熱だろうが、やっぱりそーいうところは変わらない、みたい。
「残念。風邪なんか小学校のとき以来一度も引いたこと無いんだ」
わざと素っ気無く返す。
けれど依然と心臓はバクバク高鳴っていた。密着しすぎ。突き放すわけにはいかないし…。
「へぇ~、意外だにゃ~」
熱のせいか語尾が怪しい。猫になってるし。
「もう授業は早退して、誰かに送って貰ったほういいかもな。家の人は?」
「シュンに送って欲しぃぃ~」
…………人の話も聞きゃしないんだから。

