その意味を察し、
「いやいや…」
何考えているんだ、この人は。
「……駄目でしょ。それは」
周りを気にしながら、俺は丁重に拒否を示した。
「むぅぅ。けちぃ」
ぷいっと口を尖らせる。
「だったら私がシュンに食べさせてあげるぅ~」
今度は白石さんがいきなり自分のそれを突き出してきた。
「いいって!!」
ずいずい近づけてくる強引さにたじろぎつつ、必死で拒否。
顔を背ける。
なのに彼女は……、
「えいっっ!」
強行的な行動に取って出た。
ベチャッッ
頬に冷ゃっこぉい物がぶつけられる。
「冷たっ!!」
「ごっめーん、シュン♪」
この確信犯は、ふにゃりと笑う。
「ちゃんと拭いてあげるから許して~」
笑いながら謝ってくる。
「……はぁ」
面食らったのから未だ抜け出せず頷く。
いかん。丸っきり彼女のペースだ。
「じっとしててね」
ハンカチを出してくるのかな、と思いきや、不意にその顔が急接近してきた。
まるで自然に。
軽くキスするように、あまりに何気無い仕草だったので反応できなかった。
――ペロリと撫でられる熱い感触。
頬にべっちゃり付けられたクリームを舐め取られたのだと気づくまで数秒を要した。
「な、何すんだーっ」
思わず椅子から腰を浮かし、飛び退った。
「うふふふっ。きゃわいいなぁー。予想以上の反応ぉー」
白石さんはこちらを見て、ふにゃらと物凄く楽しそうに笑う。
というか絶対に楽しんでいる。
「あー。そういえばさー、シュン」
押し付けたせいですっかり形の崩れたソフトクリームを、しかし彼女は全く気にせず、はむっとかぶりつく。
「……何だ?」
まだドキドキ飛び跳ねてる胸を抑えながら訊く。
「この前の返事、考えてくれた?」
何気ないはずのその問いかけは妙な力を持って響いた。

