Fortunate Link―ツキの守り手―



仕方なく行き先を変更し、足を食堂やカフェテリアのある方へと向ける。

グラウンドと講堂に挟まれた場所にひっそりと建てられている建物。
学生食堂は、その一階全て(二階は購買部)を占めている。

授業中の今、学食を利用する生徒はほとんど皆無に違いない。

そう思いながら食堂内へと足を踏み入れると、存外にそこには人が居た。

空き時間中の教師、堂々とサボリ中の生徒、ご近所らしき老夫婦…エトセトラ。

っていうか近所の人とか勝手に校内に入ってきて良かったっけ?

学校のあまりの警備の緩さに疑念を抱きつつ、


「ちょっとここで待ってて」

なるべく目立たない隅の席に白石さんを座らせた。

周りには教師達の目もあるので「堂々とサボってます」というのをなるべく印象付けたくない。


カフェテリアというのは食堂内の小さな一角にあった。

焼きたてパンやクレープなど、軽い軽食や飲み物を売っている。

そのカウンターで、ソフトクリームを2つ注文。

両手にそれを持ち、席へと戻り、

「はい、どーぞ」

「わーい。ありがとー♪」

ご満悦な顔をして、白石さんはそれを受け取った。


俺はその隣の席に腰を下ろしながら、

「朝から具合が悪いのか?」

「ううん。朝はちょっと風邪っぽいかな?って程度だったんだけど~。昼過ぎから急にしんどくなってきて~。体が熱っぽくなってきて~」

いつもと違う、甘ったるい口調。

語尾が間延びしているのは風邪のせいなのか。

「だったらすぐに早退すりゃ良かったのに」

「うーん。だってぇ。次の授業、体育だしぃ~。シュンに会えるかなって思ったら帰りたくなくなっちゃって~。
あっそーだっ。そのアイス、私に食べさせてよ」

唐突に思いついたように俺の方を指差す。

「………えっ?!」

その指がソフトクリームを指している事に気づき…

ていうか、これは俺の…。

そうこう考えているうちに、白石さんは「あーん♪」と可愛らしく雛鳥のように口を開けて待ち構える。