Fortunate Link―ツキの守り手―



「…………勝負?!」

俺は頓狂な声を上げた。


すると瀬川蓮はにやっと笑ってみせ、

「おうよ。俺が勝ったらこの画像貰ってくわ」

「……なぬっ?」

しかし奴は俺の反応を無視して続ける。

「お前が勝ったら諦めたる」

パッと携帯から手を離した。

「簡単やろ」

簡単だけど訳が分からん。

「はあ?……しかも勝負って」

「そうやな。男らしく腕相撲ってのはどうや?」

「腕相撲?」

「だってこの場で勝負つくし、ギャラリーだって湧くやろ?」

言って、奴は教室内に視線を巡らす。

すでに俺達の騒ぎに衆目は集まっているようで、クラスの奴らが遠巻きにこちらを見ている。

不運にも朝のSHRが始まるまでまだ時間はある。

「あと、画像の事だけやったらおもろないから、負けた方にペナルティをつけよか!」

こちらの了承などの聞かずに話を進める。

しかも周囲にわざと聞こえるようにやたらデカイ声で言う。

「負けた方が勝った方の言う事を何でも聞く、ってのでええか」

「……おい」

これ以上黙っちゃいられない。

俺は、はなっから勝負なんてする気はこれっぽっちも無く…


「はん。上等じゃねーか」

割り込む声。

いつの間にか腕組みしたアカツキが隣に立っていた。

……本当にいつの間に?


「せいぜい腕が折れねーように気ぃつけとくんだな」

威圧するような視線で、瀬川蓮を傲然と睨みあげる。

「――シュンはてめぇなんかにゃ負けねぇよ」

自信満々に何の根拠も無い言葉を宣言。

「……わー。アカツキ」

(何勝手に煽ってんだっ)

泡くる俺の前で、

「へぇ。ますます面白そうやんかっ!」

こいつもまた周囲を煽るようにデカイ声で言う。


そのせいで俺たちを囲んで、既にギャラリーが出来つつあった。