サトシの手からその携帯を引ったくり、奪った。
こんな画像は今すぐ消去するに限る。
「あぁっ!!こらっ何すんだ!!」
「消すに決まってんだろ」
憤然と言い返す。
何が何でも絶対の絶対に消去してやる。
見るだけでも怖気が走る。見られるかと思うだけでも怖気が走る。
サトシは必死で手を伸ばしてくる。
「返せ!」
「消したら返す」
俺はひらりとその手をかわし、椅子から立ち退く。
「わーっ馬鹿!それを手に入れるのにどれだけ苦労したと思って」
「馬鹿はお前だ!いらんことにいらん労力使いやがって」
俺は逃げつつ、ボタンをいじる。
しかしその本体ごとガシッと掴まれる。
「やめろ!頼むから!」
全くこいつは執念深い。
だけど俺も負けじとグイッと引っ張り奪い返す。
その手から届かないようにと頭上に掲げる。
「…著作権、いや肖像権の侵害だ!こんなもん!」
「違うって!」
サトシは抗弁しつつ腕を伸ばしてくる。
「可愛いものは皆で分かち合うべきなんだよ!」
とんでもない屁理屈をこねる。
「何が可愛いものだ!」
俺は腕を後ろへとそらし、サトシの手から逃れる。
……と。
後ろへとやった手から、携帯が抜き取られた。
後ろにいた誰かによって。
「へぇ。これ誰?可愛いやん」
最悪な声が掛かった。

