「…いや。私のせいだ」
それでもアカツキは頑なにその首を横に振った。
「私は普通じゃないから。分かっているんだ…」
「……何、言ってんだよ」
「自覚はある…。
私が助けてほしいと願うと、その通りに状況が変わる」
その揺れ動く目が俺を捉えていた。
「ここ最近もいつも――いつも助けて欲しいって思った時には、必ずお前が現れた」
息を、呑んだ。
その言葉に胸を突かれた――。
その目に吸い込まれそうになっていた。
「妙な奴らに襲われた時、どこに居たって必ずお前がやって来てくれた。危機的な状況を打破してくれた。だけど…」
アカツキはあえぐように言葉を紡ぐ。
「だけど私はそれが怖い。あの時みたいになるんじゃないかって怖い。いつか失うんじゃないかって怖い…」
その声は……震えていた。
アカツキの肩が小さく震えていた。
「……そんなの嫌だ」
……子供みたいに、
震えていた。
「……アカツキ」
我を忘れて、震えるアカツキを見ていた。
いつもと違うアカツキ。
さらけ出された内面。
過去の影に怯えるアカツキ。
でもこのアカツキもアカツキなんだ。
俺が知らなかっただけ。
知ってやれなかっただけ。
気持ちがひとりでに動き出す。
とめようもなく動き出す。
胸がじんと痛いのに、その全てがたまらなく愛おしく思えて。
その震えを止めてやりたくて。
アカツキの震える肩へと手を伸ばしていた。

