どうにもアカツキのことを意識しすぎて変になる。
「はぁ~~」
額を手で押さえて、大仰に溜息をつく。
そりゃあ…だって…さすがに意識するよ…。
だって…いい…いきなりキキキスされたりとかされたり…されたんだぞ?
あのアカツキが…自分から…無理やり…。
何かの事故だったに違いなかったと思ってみたいところだが、それにしては直後のアカツキの反応がおかしかった。
まるで別人のようにおかしかった。
別人のようと言うよりは、もはや別人だった。
顔から首まで真っ赤にして目が泳いで動揺しまくりの表情をしていた。ありえんよ。
そもそも何でこいつはいきなりあんな事をしてきたんだろう。
「――待って」
再びアカツキが寝言を呟いた。
何だか普段と違う声だ。どんな夢を見ているんだろう。
気絶させられてそのまま寝てしまうとは…よほど疲れていたのかな?
そう思いながら、足は薬棚の方へ向かおうとしていた。
「――行かないで」
足が止まった。
それは頼りない声だった。
まるで母親に駄々をこねる子供のような声だった。
その声が何か酷く心の琴線をかき鳴らした。
「……アカツキ?」
振り返り、そっと眠っている顔を窺う。
表情にあまり変化は無いけど、どことなく苦しげだった。
どうしたんだ一体…。
悪い夢でも見てうなされているのか?
ざわりとした不安を覚え、ベッドの傍へと戻った。

