「周りがお祭りで楽しんでるっちゅう時にお前ら何してんねん」
悠然と歩み寄って来ながら、奴は飄々と言う。
男は俺に向けていた視線を外し、そちらへ向けた。
戦いは一旦小休止…というより完全に中断された形だった。
張りつめていた気が緩まり、少しほっとする。
あのまま戦っても勝てた気がしない。
「……何のつもりだ?」
男は忌々しげに、水を差したその相手を睨む。
「この通り。邪魔するつもりやけど」
瀬川は両腕を広げ、飄然と返す。
その態度からは戦意らしきものは欠片も感じられない。
もしかして二人で掛かって来るのか?と思って内心身構えたりしていたがそんなつもりは無いらしい。
というかそんな事をされたら、こちらはたまったもんじゃなかったけど。
「…………」
男の視線が鋭利に光った。
その無言の間に、言い尽くせない苛立ちを押し隠しているようにも見えた。
「……俺に逆らうというのか」
低い声で威嚇するように言い、相手を射抜く。
「逆らうやて?」
それを受けても、奴は馬鹿にするように鼻で笑った。
「逆らうも何もお前の味方になった覚えなんて無いねんけど」
「…………」
物凄く険悪な空気が場を満たす。
何なんだ、こいつら…。
知り合いみたいだけど、仲間じゃないのか?
男は初めてその表情を変えた。
「貴様…」
「てっきり仲間のつもりでおったんか?残念ながら俺は誰の味方もするつもりはないで。まぁ仲良ぅツルむんはそれなりに楽しいけどな」
「……ふ」
男の肩が少し震える。
「…ふざけるなよ、蓮」
今にも噴出せんばかりの怒りを留めた眼差しで、相手を射抜いていた。

