俺はただ首を振り続ける。
「堅いなぁ。ちょっとだけでいいんだって」
接近してきた。
こっちは顔をそらす。
「近寄ってくんな」オーラを発してみるものの、全然効かないようだ。
「ほら行こうぜ」
強引に手をとってくる。うげぇ。
先ほどの悪夢がよみがえる。
思わず思いっきりその手を振り払った。
それでも相手はひるまない。
「…つれないねぇ。でも付き合ってよ」
俺は寒気を覚えつつ相手を見る。
異常なしつこさだ。
適当に断ればいいと思っていたけど、だんだん雲行きが怪しくなっているのを感じる。
気づけばじわじわと囲まれつつあるし。
ひたすらに人形のように首を振りつつ、頭を巡らせる。
どうやってこの場を逃げようか…。
しかしこの人数はきつい。
手荒い事もできないし…。マジでどうしよう…。
「うわっ」
眼前の男どもが押しのけられ、誰かが割り込んできた。
「え?」
戸惑う間もなく、ぐいっと手を引かれる。
「わわっ」
……って痛い痛い!横暴だ。
引きづられるようにしながら、男どもの囲いから抜け出した。
俺の手を引っ張る主は、ずんずんと先へと進んでいく。
こちらの腕が千切れそうになっていることにも全く気づいてないようだ。
「痛い、痛いって…」
抗議の声をあげてみるものの、全く聞く耳を持たない。
どこまで連れて行かれるのやらと思い始めた頃、そいつはとある教室の扉を開けてその中に俺を放り込んだ。
「…あいたっ」
床に転げながら、恨めしげに相手を見上げた。
部屋は空き教室らしく、カーテンが閉まっていて薄暗い。
「何すんだっ」
そういきりたつと、逆にそいつに思いっきり睨まれた。
相手は…言わずもがな、アカツキだった。

