「そうだな。それはそうと、どこから巡る?」
「簡単そうな茶道部から行くか」
「…………」
アカツキは少し逡巡の間があったが、
「券は持ってんのか?」
「ああ貰ってる。……お前は?」
「持ってるよ。友達がくれた」
「よし。じゃあ決まりだな」
行き先決定。
二人でその場所へと向かい始めた。
茶道部の部室は周りの教室より少しひっそりとして静かな場所にあった。
そこは茶会が催されている場所。
部屋に入ると充満する畳の薫りが空気とともに肺に入ってきた。
何だか懐かしい感じのする暖かな匂い。
靴を脱いで中へと入った。
入り口のすぐ横で券を渡し、半券を千切って貰う。
残った半券はこの場所をクリアした証拠になる。まったくよく考えてある。
中は混雑はしていないものの、10名ほど人が入っていた。
敷いてある座布団の上に腰を下ろす。
作法とかよく分かんないけどいいのかな。
でも何となくそんなのは別にいいかな、と思えた。
なぜなら――、
周囲の客は和やかに談笑したり、少しくだけた雰囲気。
見回すと、知った姿が目に入ってきた。
白石さんだ。
向こうも気づいたらしくこっちを見て微笑んでくる。
ドキリと鼓動が跳ね上がった。
藍色の着物に身を包んだその姿は妙に艶かしく、その…綺麗だった。
普段は可愛らしいイメージだけど、今は大人っぽい女性の魅力に溢れている。
その姿を見ていると、嫌でもあの言葉が耳の奥でリプレイされる。
『――あたし、シュンのことが好き』
頬が紅潮するのを感じ、少し目をそらした。
やべっ。まともに顔を見れねー。

