Fortunate Link―ツキの守り手―



「私らが全面的にフォローするから」

副委員長さんはなおも引き下がらない。相当な粘り腰。


「……絶対フォローしきれないと思…ふぐっ」

顔面に何かが押し付けられた。メイド服だ。


アカツキが副委員長さんから奪い取ったらしい。

「往生際悪ぃ奴だな。頼まれたんならさっさと引き受けるのが筋ってもんだろ」

傍で見ていて苛立ちが頂点に達したらしいアカツキが言う。

どうしてこいつはこうも女子の肩ばかり持つんだろう、と不思議に思う。


「……でも」

何かを言い返す前に、ギンンッとそのアカツキの目が鋭利に光った。

「うっせぇよ」

「……っっ」

目がヤラれた。今間違いなく奴の目から何か光線が出てた。


「早くしろよコラ。今ココで丸裸にされてぇのか?」

恐ろしいオーラと本気の声音。


俺は震え上がったのち、慌てふためいて承諾することになった。





「これ4番テーブルに運んで」

「……はい」


恥ずかしい格好に着替えさせられた俺は、さっそく言われるがままに動かされてた。

お客さんからの視線が背中に腕に顔に突き刺さるのを痛いほど感じる。ってか実際に痛い。
羞恥に震えそうになる腕を必死で止め、何とかトレイをぐらつかせないように歩く。

こうなると中身も色々と壊れてくる。
もう何か泣きたいんだか笑いたいんだか…あははのは。


注文の有ったテーブルに紅茶のポットとカップと砂時計を置く。

言葉は発さない。

砂が落ちたら勝手に淹れろ、そして飲め、みたいに投げやりに。

接客精神ゼロの態度で作り笑いだけを浮かべて下がる。

しかし引っ込めようとした手を急に握られた。

驚き振り返ると、握られた先には男子生徒の締まりの無い笑顔。

相手はその気持ち悪い笑顔を広げたまま、

「君、可愛いね。名前なんて言うの」

顔面に青筋が走った。