「こ、これは…」
「見ての通り分かるでしょ?あなたもこれを着て店を手伝って」
「…んなっ」
頭の血液が下のほうへ流れていくのを感じる。ぞわぞわと悪寒を感じる。
いや、そんな…馬鹿な…。
しかし相手の方は逆に熱くなって告げてくる。
「これも客寄せのため!ひいてはこのクラスのため!一肌脱いで!」
メイド服をグイグイ押し付けてくる。おい、やめろ。
「ちょっ、そんな無茶な。今でも十分客が入ってるじゃん」
「まだまだ!私の目標はこんなものじゃないわ!」
勝手なことを言う。
副委員長さんの目標がどうだろうが、こっちは知ったこっちゃない。
押し付けてくる服を押し返す。
「とにかく無理だって!普通に考えて無理だろ。俺、男だぞ。それにそんな目立つ事してたら、すぐにバレるって」
「だぁいじょうぶ!バレっこないって!」
ばしっと肩を叩いてくる。
何て無責任な発言。
「バレるって!それに声出したら一発で分かるだろ」
すると相手は虚を突かれたように止まった。
そこまでは考えて無かったらしい。
どうやら効果は有ったようだ。よし。
…と思ったのもつかぬ間。
すばやく頭脳をフル回転させた副委員長さんが、
「じゃあ注文は受けなくていいから、注文の物をテーブルに運んでくれたらいいよ」
「……だから無理だって」
全然人の意見を聞き届けてくれない。
女の子って、皆こういう人ばっかりなの?
「喋らなきゃいいのよ」
「そういう問題じゃなくてだな…」
うんざりと溜息を吐く。
今日という日は間違いなく厄日のようだ。
確か今朝の占いの順位もケツ2だったような、と思い返した。

