Fortunate Link―ツキの守り手―



教室に戻ると、喫茶はそれなりに混雑していた。


廊下に数人待っているお客さん達も居る。
なかなか繁盛していそうな感じ。

この、うちのクラスの喫茶スペースの名前は『冥途の土産物屋さん』

中に入ると、給仕中の女子達が慌しくテーブルの間を廻っていた。
白を基調としたメイド服に、背中には羽のオプション付き。

天使なメイドさんである。

果たして本当に冥途の土産になるのかどうか…は不明。

でも、なかなかポイントは押さえている気がする。
普段は目立たない感じの子も、その衣装を纏っているとすごく華やいで見えた。


「あー来た来た」

いち早く俺達の姿を見つけた副委員長さん、もとい沼津さんが「こっちこっち」と手招きしてきた。

待ってました、と言わんばかりの満面の笑みを浮かべている。

その極上の笑顔に困惑しつつ、

「…えーと。俺に何の用?」

すると彼女は「ふむふむ」と一人頷きながら、

「いやぁ、すんごくいいねぇ」

そう言って、まるでオッサンのような目つきで頭の先から足の先まで眺め回してきた。

「真由美達に聞いてたけど、こりゃ聞いてた以上だわ。イケるわ」

鼻息荒く興奮気味に言ってくるので、若干引いた。

…何がイケるんだろうか?

いぶかしんでいると、

「ほら。これに着替えて手伝って」

差し出してきたのは折りたたまれたメイド服。

よくメイドさんが頭に付けている飾り…何ていうんだっけ?、みたいなのも有る。


一瞬、思考が吹っ飛びかけて、

「えぇっ?!」

驚きのあまりに後ずさった。