「お前は?」
「ぶらぶら廻るよ。色々と廻らなきゃいけない場所があるみてぇだからな」
そう言って見せてきたのは、俺が持ってるのと同じ紙。
校内7ヵ所の場所が記されている。
「一人で?」
「仕方ないだろ。女子の中で歩いてたら目立ちそうだし」
確かに、と頷く。
ハーレム状況で歩く男子―ってかなり目立ちそうな感じだな。
そう理解しつつも、俺の気持ちはざわざわと波打ち揺れ動いていた。
不安という名の揺さぶる波が…。
「あー…いや…でも……だな」
訳も無く首筋を指で掻きながら
「…その…一人で行くのはマズいだろ。せっかく学園祭なのに…何て言うか…」
ごにょごにょと言いよどむ。
アカツキも怪訝そうに俺の方を見てくる。
「何が言いたい?はっきり喋れよ」
せかすように、そう言われてしまう。
「だからだな…すなわち…」
一人になんてさせておけない。
無視しているとはいえ、あの瀬川の言葉も気になってくる。
「……俺と…一緒に居ろ」
その一言を言うだけにかなりのエネルギーを要した。
気のせいか、額に汗まで滲む始末。
アカツキは、その険しい瞳で俺をじろじろと見てきた。
汗が流れるのを感じながら、その視線に耐える。
しかしながら耐え抜いた甲斐が有った。
「…分かった」
あれだけ不機嫌そうだったのにも関わらず、アカツキはすんなりと首を縦に振った。
「一緒に居てやる」
くるりと方向転換し、階段の方へ歩いていく。
俺はその反応に若干面食らいつつも、その後を追うように教室へ向かって歩き出した。

