半袖シャツにズボン…。
男物の制服と短い黒髪。
その外見にすっかり騙されていた。
あまりにその格好がしっくりと似合いすぎていた。
どう見ても不良っぽい男子生徒にしか見えない。
「…逃げるからおかしいなと思えば」
分からなかった原因はきっとこの目つきの悪さだ。
その瞳が不機嫌そうに尖り、俺を捉える。
「…お前、”私”だって気づいて無かったのか?」
「あ、ああ」
正直に答えたら、ぎろりとさらに強く睨まれた。
「…あぁん?何だとっ?!」
その眼光に、
「…ひっ」
喉の奥から引き攣った声が出、反射的に首を振った。
「いや嘘!嘘です!めっさ気づいてました!」
全力で嘘をついた。
アカツキは慌てふためく俺を見て苛立たしげに顔を背ける。
「…ちっ。私は一目でお前だって気づいたのに」
「……そうなのか」
げんなりとした思いで呟く。
一目で見抜かれちゃったのか。
これで、既に知り合い三人バレた…。
「やっぱり俺、この格好無理あるよな…」
もういっそ自首でもした方がいいのではないか、と思う。
精神的にこれ以上耐えるのはキツい。
手を尽くしてくれたクラスの子達には悪いけど…。
アカツキは片眉をピクリと動かし、俺の方を見た。
「そうか?気持ち悪ぃほど似合ってると思うけど。
…ただその胸が気に入らねぇがな」
俺の胸辺りを『親の仇』ともいわんばかりに睨みつけるアカツキ。
そんなに睨まれてもコレ偽物だから、と思った。

