相手と向かい合う格好になった。
俺はビシバシ刺さるその視線に固まる。
「・・・・・・」
ひたすらに無言。
この周辺だけが物凄く空気が薄い気がする。窒息死しそう。
睨んでるだけなんて怖すぎる。せめて何か喋って欲しい。
すると急にその男の手が伸びた。
ぐわしっと胸を鷲掴みにされる。
「ひっ」
その突発的な行動にうろたえた。
これは誰であろうとうろたえるところだろう。
俺が男でなければ、これってセクシャルハラスメントにあたるのでは、とも思う。
しかし、相手はさらにガシガシと無遠慮にその偽の胸を掴んでくる。
「…ちょっ」
やめろよ、と思う。
作り物だからあっという間に形が崩れそうだ。
というか、それ以前にもう…
とっくに男だってことがバレてる――よな?
そう思いながら相手を伺い見る。
そいつは不機嫌そうな顔をさらにしかめていた。
「…何だ?この無駄な膨らみは?」
「…………え?」
それはあまりにも聞き覚えの有りすぎる声だった。
ハッと、間近のそいつの顔を見つめる。
「……アカツキ?」
よく見ると、その極悪そうな顔は間違いなくアカツキのものだった。

