「――うん。これでヨシ」
白石さんが満足げに頷いた。
胸の上の隙間にタオルの巻いたのを詰め、キャミソールみたいな下着を着せられ。
そして元通り、制服を来て完了。
やっとこの地獄のような時間から解放され…
「あぁ。まだだからね。あと下のがあるから」
…解放されなかった。
「ほら、これ」
そう言って、彼女が掲げたのは…。
「……っ」
直視しがたいシロモノだった。
黒のレースの紐付きの…。下に付けるものでございまして。
びっくりするほどに表面積が少ない。
それはもう何ていうか、衝撃的な衝撃的すぎる最大級に衝撃的な感じで…俺のボキャブラリーでは到底表現しきれないような…。
「これも着させてあげようか?」
完全に楽しんでるとしか思えない笑顔でこちらを見てくる。
「…いい。ってか履かないから」
「履かないと叫んじゃうよぉ」
そう言って、白石さんはすぅと息を吸い込み。
「…わわ。わ、分かったから。やめろっ」
マジで叫ぶつもりだった彼女の手から、やけくそでソレを引ったくり、ロッカーの裏の影に隠れた。
「隠れなくたって大丈夫なのに。そんなところまで見ないよ」
そんな言葉が聞こえてくるが、信用しきれない。
指が震えて何度もソレを取り落としながら、泣きそうになりながら履く。
…ってかめちゃくちゃ履きにくっ。
利便性に欠きすぎだ。
どうしてこんなに履きにくくてさらには履き心地が悪いものをわざわざ身につけなきゃならんのか。
直視を避けながら何とかそれを身につけ、先ほど以上に心許無い気分を味わいながら、ロッカーの裏から這い出るように出てきた。
「うん。完璧だね」
そんな俺を目にし、
やっとこさ、今度こそ満足しきったと言わんばかりに白石さんは頷く。
学園祭はまだ始まったばかりだというのに、こっちはもう精神的にへろへろだ。
「完璧なんだから、もっと自信持った顔しなよ」
にまにました顔で見上げてくる。
できません、ってきっぱり言ってやりたかった。

